50歳を過ぎてから離婚をする場合に問題となるのが、財産分与、特に退職金の問題です。
財産分与の対象は、預貯金や給与、不動産、住宅ローン、保険金など、多岐に渡りますが、退職金も含まれる場合があります。
既に支払われた退職金は、当然、財産分与の対象となり、争いになることはほとんどありません。
問題となるのが、まだ支払われていない退職金の場合で、専門家によっても意見が分かれるところです。
退職金が財産分与に含まれるかどうかについては、現在勤めている会社の業績や経営状態、退職の時期、退職の理由、これまでの勤務状態、などによって判断がされます。
つまり、「退職金が支払われる可能性が高いかどうか」で、財産分与に含まれるかどうかが決まるのです。
一般的に上場企業や官公庁等、倒産の確率が著しく低い勤務先の場合には、財産分与の対象として認められるケースが多いです。
また、退職までの期間も重要で、50代であれば10年以内の支給であることから、財産分与の対象となる場合がほとんどです。
50代にもなると、住宅ローンの支払いがある程度済んで、不動産の価値も出てくるタイミングです。
そうすると必然的に財産分与の金額も大きくなるので、不動産の価値をどのように評価するのかも非常に重要な問題です。
これらについても、専門家と連携して、正しく評価してもらう必要があります。
50代の離婚では、子どもの問題が争いとなることが少ない一方で、財産分与や年金分割など、金銭が問題となるケースが多く見られます。
これらの計算や立証、主張の組み立ては複雑な面がありますので、離婚問題の経験豊富な弁護士にご相談されることをおすすめいたします。